3月21日

「解散しよっか」

 

大きなステージで二人で歌おうって描いた夢を捨てた。

2011321日。15の春。

 

 

「神奈川だよね、東京で高校生の弾き語りライブ企画をするんだけど、出てみない?」

 

2013321日。

師匠(って勝手に思ってる)に引っ張り上げてもらって、

ひとりで歌い始めた17の春。

 

 

「ひまわり広場の2周年アニバーサリーイベントで、

文香ちゃんのワンマンライブを見たいと思っています。」

 

2015321日。

ひとりをやめた。20の春。 

 

みんなは世の中にどういう姿で居ますか。

なにかを一生懸命勉強している学生とか、

社会に貢献するお仕事をしているとか、

がむしゃらに夢に向かってお金を貯めてるとか、

何か伝えたくて創作活動してるとか、

休日の趣味を糧にお仕事頑張ってるとか。

 

逆に、どうしても前向きな気持ちからこぼれて、

その先になにも見いだせなくて、

すべてを壊す勇気もなくて、

耐えてやりぬく気力もないとか。

 

ちょうど、次のミニアルバムを考えていた時期であったのだけど、

ともすればネガティブ思考なので一人で考えごとをすればするほど

「誰かを○○できる歌」を書く気にはなれなかった。

言いたいことは色々あるけど、受け手の共感か反発かはその先の話で、

歌ってみて聴いてみてもらわないと分かりやしないじゃない。

聴いてもらえる前提で、しかもその効果をひとつに求めるのは過信に思えた。

 

 

自分は何もできません。

地位はないし勉強もできないし歌も下手くそ。むかしに比べたらマシになったけど。

だいたい音楽は形がないからなんの生産性もありやしない。

寒ければあったかくしてくれたり、のどを潤したり、目に見えて触れたり、

そういう力は空気を振動させるだけの音にはまったくない。

 

じゃあ何に価値はあると思う?

僕らは常日頃CDや配信の何に、お金や時間を払っていると思う?

 

「何でそんな〈曲、音楽人、音楽グループ〉好きなの?」

って言われたことある人いると思う。腹立つけど言う人は確かにいる。

でもその人にとってはそのCDや配信に時間を割く価値は確かにないんだよね。

価値を見出すのはあくまで個人の物差しであって、その人には面白くなかったわけだから。

 

 

どうでしたか?2時間半。

と、こう書くとわたしに直接感想を告げなきゃいけないようだけどその必要はないよ。

心の中で思ってみてちょうだいな。

 

もしテレパシーが使えてみんなの思いがわたしに見れたら、

きっとそれは良いだけの感想じゃないと思う。

この人にとっては「それがよかった」ことがあの人にとっては「こうがよかった」であり得る。

でもね、それが自分たちの在る証拠であり価値だと思うんだ。

価値を持ってるのはみんなだよ。好き(同時に嫌い)を思うみんなに価値がある。

同じ服を着て似た顔をしていて持ち物を一緒にしても、心はひとつにはなれないよ。

 

僕たちはみんな同じじゃないよ。

だから完璧に完全に分かり合うなんて誰ともできない。

普通はないし、平凡もないよ。

だから君は君なんだよ。

 

苦しんでいた自分を宥めるように曲を書いた。

それが少しだけ世の中で認めてもらえた。

ああ、そうか、それでもいいのか、

そう思って生まれたのが「僕は無力だ」というアルバムと今回の公演です。

 

何かを見出して来てくれてありがとう。

何かを思って帰ってくれてありがとう。

そういう空間であってほしかった。

 

 

自分で思う自分は何もできない人間だったから、

耳や目を塞いでいたらいつまでもそのままだった。

目を見開いてたくさん傷付いてみたら今日まで来れた。

世界は思うほど悲しくないよ。

 

結論は出ません。世間の中ではもちろん、わたしの個人観でもそう。

疑問に思うことはたくさんある。

憤ったり首を傾げながら生きてる。

 

 

どうかその心を殺さないで。

何もできないわたしが君の心に美しさを見てるから。

 

僕らは無力です。

チケットの印字に妙な空間があったと思うんだけど、

なんとなく言ってることがわかったらそこに「ら」を入れて完成させてくださいと、

 

 

 

言い忘れました(てやんでい)

 

 

 

 

あらためまして。1stワンマンライブ「僕らは無力だ」。

ありがとうございました。

 

はるちゃん、めぐちゃん、忙しい中たくさんの時間を割いて今日まで漕ぎつけてくれてありがとう。

りん、題字書いてくれてありがとう。

めぐ、卒展もあるのにドリンク練ってくれて感謝です。大好評だったよ。飲み損ねたから今度作ってね。

ちーさん、去年のアー写からありがとう。瞬間を切り取った、美しくてやさしい写真が大好きです。

おちくん、めぐちゃんと結託してまさかあんなサプライズがあるとは思ってなかったです、、ありがとうございました。

 

川道さん、1回目から19回目の一昨日までありがとうございます。痒くなるくらい有難い評価をいただき続け、もっと大きな形で応えられるように精進します。

棟近さん、いつもバタバタ、今回は更にドシンバタンしたのに、いつも的確な音の調整をありがとうございました。ひまわり広場を離れられる前に一緒にひとつの公演を作れて嬉しかったです。

 

こんなにたくさんの素敵な仲間と聴いてくれるみんながいるから、もう「ぼっち」とか言うのやめようと思う。(笑)

ひとりじゃ何もできないのなんてずっと前から分かってた。

 

やり切って空っぽになってしまおうと思って走り抜けたらやりたいことが増えました。

追いかけてどんどん走ってみようと思います。

 

自信のなさから自分のことを見守ってくれている人たちを「ファン」と呼んだことはなかったけど、

ちょっと思い上がってみてもいいかなって思えました。

 

声援に報いるべく、さらに大きくなります。

3年間ありがとう。これからもね。

 

 

 

20163月 金子文香

(明らかに質の違う良いPhoto:Chiharu Nakagawa